「気づいたら体重が増えている」「食事は変えていないのに太る」――こうした悩みを持つ人は多いのではないでしょうか。太りやすい体質という言葉がありますが、その多くは生活習慣に起因するものです。本記事では、太りやすい人が無意識のうちにやってしまっている生活習慣を詳しく解説します。改善のヒントを見つけて、理想の体を目指しましょう。
朝食を抜く習慣が太る原因になる
忙しい朝、食欲がない、ダイエット中だから――そうした理由で朝食を抜く人は少なくありませんが、これは太りやすい人によく見られる生活習慣のひとつです。
朝食を抜くと、体はエネルギー不足を感じ、次の食事でより多くのエネルギーを蓄えようとします。その結果、昼食や夕食で過食しやすくなり、脂肪をため込みやすい体になります。また、朝食を摂ることで代謝が促進され、1日の消費カロリーが増えるというメリットもあります。規則正しく3食食べることは、太りにくい体作りの基本です。
夜遅い時間の食事が脂肪を蓄積させる
仕事が忙しく、夕食がどうしても遅くなってしまう人も多いでしょう。しかし、夜遅い時間の食事は太りやすい生活習慣の典型です。
夜は活動量が減るため、食べたカロリーを消費する機会が少なく、脂肪として蓄積されやすくなります。さらに、夜食後すぐに寝てしまうことで、胃腸に負担がかかり、睡眠の質も低下します。できるだけ21時までに食事を済ませ、寝る3時間前には食べ終えることが理想です。どうしても遅くなる場合は、消化に良く、低カロリーの食事を心がけましょう。
運動不足が基礎代謝を低下させる
太りやすい人に共通しているのが、慢性的な運動不足です。仕事や家事に追われてなかなか時間が取れないという声もありますが、日常的に体を動かさないと、基礎代謝が落ちて消費カロリーが減少します。
基礎代謝とは、呼吸や体温維持など、何もしていなくても消費されるエネルギーのこと。筋肉量が多いほどこの代謝は高くなりますが、運動しないことで筋肉は減少し、結果として太りやすい体に。週に2~3回、30分程度のウォーキングやストレッチから始めることで、代謝を少しずつ上げていくことができます。
間食・夜食の習慣がカロリーオーバーに
仕事中の気分転換、寝る前のリラックスタイムについつい食べてしまうお菓子や夜食。これもまた、太りやすい人の典型的な習慣です。
スナック菓子や甘い飲料には高カロリー・高糖質なものが多く、1回の量は少なくても積み重ねが体重増加に直結します。また、夜間の間食は血糖値を急激に上げ、脂肪として蓄積されやすくなります。どうしても口寂しいときは、素焼きナッツやヨーグルト、野菜スティックなど低カロリーなものを選ぶのがポイントです。
睡眠不足が食欲を乱れさせる
睡眠が不足すると、ホルモンバランスが崩れ、食欲をコントロールするホルモン「グレリン」が増加し、「レプチン」が減少します。これにより、満腹感を感じにくくなり、食べ過ぎてしまう傾向にあります。
また、睡眠不足はストレスホルモン「コルチゾール」の分泌を増やし、脂肪をため込みやすい体質を作ります。1日6~8時間程度の質の高い睡眠を確保することが、体重管理において非常に重要です。寝る前のスマホやカフェインの摂取を控えることも、睡眠の質を上げるためには欠かせません。
ストレス過多な生活で暴飲暴食に
現代人の多くが抱える「ストレス」も、太りやすさに大きく関わっています。強いストレスを感じると、自律神経が乱れ、過食に走りやすくなったり、甘いものを欲する傾向が強くなります。
また、ストレスホルモンが脂肪の蓄積を促進させることも明らかになっています。ストレスをため込まず、こまめに発散する習慣を身につけることが大切です。運動、趣味、友人との会話、自然の中で過ごす時間など、自分に合った方法を見つけて日常的に取り入れましょう。
食べるスピードが速いと太りやすくなる
食事を早食いで済ませてしまう人も、太りやすい傾向にあります。早食いは満腹感を感じる前に多くの食事を摂取してしまうため、結果として摂取カロリーが増加します。
また、咀嚼が不十分なまま飲み込むことで消化に負担がかかり、腸内環境の悪化にもつながります。1口につき30回を目安に噛むこと、食事に最低20分はかけることを意識しましょう。食事に集中し、テレビやスマホを見ながら「ながら食べ」を避けるだけでも、満足度が高まります。
食生活の偏りが脂肪をためやすくする
太りやすい人は、炭水化物中心で野菜やタンパク質が不足している食生活に偏りがちです。白米やパン、パスタなどの糖質ばかりを摂っていると、血糖値が急上昇・急降下し、食欲が乱れやすくなります。
また、食物繊維が不足すると腸内環境が悪化し、代謝も落ちやすくなります。1日3食の中で、主食・主菜・副菜を意識し、野菜やきのこ類、魚や豆腐などバランスよく取り入れることが重要です。外食やコンビニ食中心の人ほど、この点を見直すだけで大きな変化が得られる可能性があります。
まとめ:太る習慣は見直しで変えられる
太りやすい体は、遺伝や体質だけでなく、日々の生活習慣が大きく関係しています。朝食を抜く、夜遅く食べる、運動不足、ストレス過多、睡眠不足など、一つ一つの行動が積み重なって今の体を作っているのです。
しかし、逆に言えば、その習慣を少しずつ改善することで、体質も変えていけるということです。すべてを一度に変える必要はありません。まずは一つ、自分が当てはまる項目から取り組んでみましょう。小さな意識の積み重ねが、やがて大きな成果となって現れるはずです。
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